「日本人が誤解する英語」 マーク・ピーターセン著 (2010)を読んで、コトバの背景を意識する。
評価 ☆☆☆☆
- 前置き
「日本人の英語」http://goo.gl/ohfwqで有名なマーク・ピーターセン先生最新刊ですね。
高校時代に英語の先生から「日本人の英語」を読みなさいと言われていたのですが、反抗期丸出しだったことと、特に英語に興味もなかったので読んでいませんでした。
大学時代は「日本人の英語」を立ち読みして「あー、先生が言ってたことってこれだったのかー」と思う程度でした。
従って、英語教師目指してるくせに、ピーターセン先生の本は本書が初めてです。
そんな私が思ったことです。 汗
- 本題
「日本人が誤解する英語」 http://goo.gl/zWQQw
ざっくりですが、食いつきがよさそうな内容を以下に並べました。
- 1章:魅力ある前置詞達
- byとuntilの違い
- in,on,atの違い
- 2章:“時制心”を養おう
- 英語の時制のイメージ
- 現在完了形ってそんなに難しく考えなくていい
- 3章:過去の世界、未来の世界
- Did you〜?とHave you〜?の違い
- willとbe going to の違い
- 4章:“仮定訪問”
- wouldの秘密/ want とwould like toの違い
- 5章:冠詞と数:未知との遭遇
- 冠詞で混乱してる人は「冠詞チェック」の方法で見極めよう
- 6章:使役の“似たもの動詞”
- make, let, have, get toの違い
- 7章:人間味のある表現を目指して
- 句動詞も理論的に説明できる
- 8章:つながりを大切に
- so, therefore, because (〜によって)の違い
- Therefore, Accordingly, Consequently (従って)の違い
- 9章:意味の決め手の関係代名詞
- 非制限用法(コンマあり)と制限用法(コンマなし)の違い
- 10章:論を唱えるとき
- 論文で嫌がられる表現
あっ、ここちょっと説明できないかも。。。という章がありましたか?
多分、Japanese learners of Englishがきちんと説明できない痒い所がたくさんあるはず。
だから、本書は英検準1級を目指す人や、TOEIC600〜700点くらい持ってる人で、もうちょっと英語を体系的に知りたいなーと思う人にはかなり良い刺激を与えられるのではないかと思います。
- TESOLerとして
一応、自分なりにこの本を分析すると。
私自身は文法知識の衝撃的な発見というのはありませんでした。
しかし、この類の本は、「再発見」というか、もともとある自分の言語知識と新しい知識の「違い」に気づいて、それを修正して「なるへそー」と思わせる(Swain & Lapkin, 1995, 1998)のが狙いなので、上記した学習者には持ってこいだと思います。
そして、感心したのは本書の例文の質です。
日常に即した英文例として映画のセリフの引用と、ピーターセン先生が独自に作ったであろう例文の2種類で構成されているのですが、どっかからの難い文章の引用ではない分、例文が想像しやすいんです。
これって語学学習で重要なことだと思います。
やっぱり、おもしろい授業にはおもしろい例文が提供されますし、大雑把に考えたら、長文だって長〜い例文だと考えるなら、身近な話題の文章読みたいですしね。
- 結論
- 微妙にややこしい英文法をスッキリできます。
- 語学学習にとって例文の質って本当に大切!!!!
- 日本語に理解のある英語のネイティブの意見は貴重です!!
- Ps.
私はピーターセン先生の著書は初読了だったので、なんとも思いませんでしたが、amazonのreviewなんか見てると『「日本人の英語」ほどの衝撃はない。』『前シリーズの繰り返しでガッカリ』のような意見が多数見受けられます。
本書の前書きにも『「痛快!コミュニケーション英語学」と「マーク・ピーターセン英語塾」を文庫本としてアップデートした。』と記載されているので、この2冊を持っている方にはお薦めできないかもですね。