「留学で人生を棒に振る日本人」栄 陽子 (2007)を読んで、留学において英語を勉強するんじゃなくて、英語で勉強する覚悟があれば失敗しないことを学ぶ。

評価☆☆☆☆☆ 
http://goo.gl/RDtc0

  • 本書の概要

35年以上、留学カウンセラーとしてアメリカの高校、大学、大学院への進路指導している著者が自身の経験をもとに、「こういう人が留学で失敗しています」とこれから留学を考えている人、または子供を留学させたい保護者に向けてアドバイスしています。


  • 失敗する人は総じて準備不足

1〜2章では留学で失敗してきた日本人を実に軽快に述べています。
失敗するのはこんな人たち

例)

    • 日本人だけのコミュニティで過ごしている人
    • 留学=英語できるようになる信仰
    • 親の英語力への願望を押し付けられた子供たち


ここで共通しているのは、みんな受動的に留学した人たちです。
さらに、その失敗に拍車をかけているのは明らかに準備不足な人たち。


3〜4章では各国の教育システムの違いを理解しないで留学しちゃった人たちを紹介しています。
本書は主にアメリカの学校をもとにしているので例えば…

例)

いやいやこりゃ失敗するわという感じ(;´д`)トホホ…


私はイギリスの大学院1本に絞っていたので、アメリカは端から眼中になく、本書を通してアメリカの教育システムの概要を知る部分もありましたが、自分が住む国のことくらい調べようよ〜( ´∀`)


ちなみに、私はイギリスに関しては自力で情報収集しました。
そりゃ、石橋を叩いて渡る前にその石橋の設計図見て安全かどうか確かめるくらいの勢いで調べましたよ。
そのために留学する1年前に単身でイギリスに1ヶ月間語学留学して下見したくらいですから(`・∀・´)


生活費、学費、寮費、シラバス、大学の強み、弱み、街の治安をHPや無料カウンセリングに積極的に参加して情報を集めた。
もちろん、書類も全部自分で集めたし、推薦状をもらった先生になぜこの大学を選んだのか説明しまくった。


特にコース選びは当時twitterのようなお役立ちツールもなかったので、諸先輩方に連絡してアドバイス貰って慎重に選んだ。あと、イギリスから現地の大学のスタッフが来日している時は興味のない大学であってもカウンセリングに出向いて現地の情報を聞き出したりもした。
そうした数少ない情報を処理して自分に合ったコースを選んだのは本当に苦労した。


だってバカにならないお金払って後悔するとかアホすぎるし。
だから、こんな私が本書を読むと呆れて笑ってしまうんですよね(*´ω`*)


  • 失敗しないための留学エージェント探し

留学カウンセラーの著者が留学斡旋エージェントばっかりに頼ると痛い目に遭うぞーというのは凄く好感が持てる。


そこで留学カウンセラーの著者が「質のいいエージェントを見極める方法」を紹介している。
それは1つのエージェントに頼らずにいくつかと比べるというもの。
当然ですよね。自分で家を借りる時に1つの不動産屋で即決する人は少ないでしょう。
(もちろん留学エージェントに頼わざるを得ない人(eg.なかなか時間のない社会人)もいるだろう。でも、私がイギリスで出会った社会人は皆、目的がハッキリして勉強しているのでコース選びに後悔しているような人はいませんでした。)


私自身、エージェントは3つくらい比べたのですが、結局有料のサービスは手を出さず、無料で得られる情報だけおいしく頂戴しました♪〜(´ε` )
だから、時間がたくさんある学生は絶対に自力で情報収集すべきです。


  • これから留学を漠然と考えている人は是非読むべき!

留学を漠然と考えている人は読むべきです。
でも、この本を読んで「しんどそうやから無理(((( ;゚д゚))))アワワワワ」と思うなら留学を失敗する可能性あります。
これを読んで「しんどそう( ・´ω・`)だけど自力でやってみよう(*゚∀゚)」って思ったらきっと大丈夫です。
そして、「絶対留学したい(#゚Д゚)ゴルァ!!!」と思ってる人は、既に自分で情報収集して準備しているはずです( ´∀`)


現地で面食らっても、それは自分の情報収集能力が不足しているから。
それくらいのモチベーションがないと1〜2章で述べられているような失敗例の1つに加わってしまいますよ。


  • ps.

あと忘れてはならないのが保護者への苦言。
著者もカウンセラーとして保護者へのアドバイスがまとめられているのですが、章と章の間のコラムでは筆者自身が一人の親として留学をどう感じているのか簡単に綴られています。
いくらカウンセラーでも自分の子どもには甘いようですね。そんな弱音が垣間見えたのも、また好感が持てた。親としての体験を綴った本も出ているようなので次はそれを読んでみたいです。